視察報告|中国・青島市人民代表大会常務委員会表敬訪問

令和元年10月31日、新潟市議会と平成21年に「友好交流に関する覚書」を交わし、以降様々な交流を通して友好を深めてきた青島市人大常務委員会(議会)を新潟市議員団の一員として表敬訪問してまいりました。

青島市人大常務委員会の宋遠方議長と佐藤豊美新潟市議会議長による会談が行われました。

宋遠方議長は「一帯一路政策の要の地である青島市が、世界に向けてこの経済圏を高度化していき、今後もこれまで以上に新潟市と多岐の分野にわたり交流を深めていきたい。」と提案されました。

佐藤豊美議長は、新潟市議員団を温かく迎えてくれたことに感謝し、「平成21年7月の「友好交流に関する覚書」から10年の節目を迎え、これまで友好を深めてこれたことは誠に喜ばしい。今後の相互交流を一層活発なものにしていきたい。」と応じられました。

会談後の夕食会では、青島市人大常務委員会の方々より「産業の発展も著しいが、観光地としても見どころが豊富な青島市に、家族も含め多くの皆さんから訪ねて来てほしい。」と挨拶をいただきました。

この青島市人民代表大会訪問の様子は地方紙「青島新聞」に掲載されたほか、同紙のホームページやテレビ局のカメラも取材するなど大変歓迎されました。

 

視察を終えて

青島市は山東省の省都(済南市)ではありませんが、GDPは済南市を上回り、1億人を超える山東省(面積は日本国土の約4割)の人口の約9%、GDPは約16%で、経済成長率も7%近くとジェトロ青島事務所では分析しています。

昨今の報道では中国全体の経済成長に限界感が見えてきていることや、過剰な超巨大インフラ投資による多額の債務問題、米中貿易摩擦や国内人件費の高まりで世界経済の輸出国としての役割も難しくなっているとされていますが、それでもなお日本の比ではない活況を感じさせていました。

街はドイツの租借地時代の集合住宅や施設を残しながらも新開地は高層住宅やビルが整然と林立する発展著しい様相で、いたるところでインフラ整備を含め建設工事が進行中でした。

中国全体では社会主義現代強化国家に向けた第1段階ということで小康社会構築期にあり、貧困からの脱却と新しいタイプの社会主義を進めていますが、青島に滞在して受けた印象は貧困をまったくイメージできない大都市というものでした。

青島市は海岸を持つという地理的側面、温暖な気候という条件もあり、海洋経済の強みを活かして発展してきましたが、さらに2018年6月、習近平国家主席は青島視察時に国際大都市にすると明言。クルーズターミナルや新幹線、地下鉄が整備され、超巨大なコンテナターミナル整備などインフラ投資のスピードと規模に圧倒されました。

このような今後も経済発展を目指す都市、その中でもドイツ租借地時代の雰囲気(観光資源)を大切にする観光都市青島との友好関係を一層強化することは、新潟市としても大きなメリットにつながるものと思います。

今年春の習近平国家主席の来日に合わせて、戦略的互恵関係の次を行く新たな国家関係を構築すべく検討に入っていると報道されている国の動きを注視しながら、新潟市と青島市も覚書の合意事項にある通り、経済、文化、教育及び都市経営など多方面にわたる発展に寄与するため、一層の交流促進を願ってやみません。